神戸市シルバーカレッジ ヤンジン第三希望小学校訪問記
2011年 01月 28日
昨年2010年9月20日~29日にかけて、神戸市シルバーカレッジの皆様がチベットを訪問、
9月28日にはチベット・ロカ地区にあるヤンジン第三希望小学校にて子供たちと交流をしてくださいました。
この度は私齋藤もバイマーヤンジンも同行することができませんでしたので、
不安にも感じられ、いろいろと大変だったことと思いますが、無事交流を終え、帰国されました。
その後、メンバーの高橋昇二様が素晴らしい手記をお寄せくださいました。
高橋様からご了承を頂きましたので、下記ご紹介させていただきます。
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ヤンジン第三希望小学校訪問記
1.はじめに
私たちは神戸市北区にある神戸市シルバーカレッジ国際コース3学年に所属しており、チベットについてグループで学習を進めています。学習に際してチベット関係者を探していた所、チベット学校建設推進協会の存在を知り、代表の齋藤様にお会いして、既に小中学校を10校建設していることが判りました。そこで、比較的便利なところにある第三小学校を訪問して交流することを企画実行しましたので、概要を報告させていただきます。
私たちは、世界最高所を通るチベット鉄道に乗りラサを訪れようという計画に賛同した11名から構成されており、チベット関係書物やネット情報のみならず、チベット人留学生やタンカ絵師、ラサ在住人類学者、大学教官などから知見を収集した後、平成22年9月20日から10日間のフィールドワークに出発しました。西寧からバスと汽車でラサに入り、ラサ最終日に待望の小学校訪問が実現した次第です。
2.第三小学校
政治的に微妙な地域なので、ヤンジンさんの友人として訪問交流してほしいとアドバイスを受け、訪問日9月28日はホテルから政府関係者車両が先導したので、やや緊張して、11時45分頃専用バスが小学校に到着しました。子供達に混じり多くの大人が居られたので、どういう方か判らないままバスを降りると、カターという首に掛けるレイのようなもので1人1人歓迎されました。

校内の並木道に沿って、学校案内パネルが幾つも掲示されて説明を受けるうちに、これらは我々のために特別に掲示して下さったことが判りました。子供たちのスケッチ画も展示されており、年齢に比べて上手なのに驚いた次第です。
次に校舎を案内されて、子供達の授業風景、2段ベッドが並んだ宿泊棟、炊事場、食堂、パソコン教室、歴史資料室、教員室など、質素ながらも整った設備にしばし感激しました。この学校は全寮制で授業料、食費、宿泊費が無料とのことで、小学3年から英語授業を始めるなど教育にかける政府の熱意を垣間見した次第です。説明を受けるにつれ、10名あまりの案内者の中に校長先生もおられることが判りました。
子供達は他校と同様にジャージの制服姿で学んでおり、現在は児童237人、先生24名が在籍する平屋立ての学校ではありますが、中層の鉄筋構造物に立て替える計画が進んでいるそうです。小学校の前面道路の反対側には、日本と同じような外観の中学校が完成していました。
3.交流
数ヶ月前から交流内容を綿密に検討し、合宿を含めた事前練習と準備を行っていたものの、事前に私達から連絡を取ることが叶わず、どういう交流になるのか先方の意向が判らなかったので、訪問するまで不安が募りました。50名くらいの低学年児童と交流したいと事前希望を出していたところ、裕福でない児童からメンバーを構成して日本よりかなり小さい校庭に集合整列させて下さり、学校の方針の一端が判った気がしました。
我々の代表から訪問挨拶があり、帯同の通訳から再度 現地語に通訳をして子供達にも理解してもらえたと考えています。大人になったら是非日本を訪問して欲しいと言う要望が、実現不可能ではないことを思わせました。

交流はまず、日本の唱歌をハーモニカ伴奏で3曲合唱したら、返礼として児童たちが輪になってダンスを披露してくれ、私たちも輪に入って踊ることにより、一挙に打ち解けた感じがしました。


次に事前に私達で作成した日本製「吹き戻し」を50人に配って、空気の出し入れで伸び縮みを楽しみ、同じく手製の紙トンボを空に向かって舞い上げ、牛乳パックを丸く切り取ってこしらえたブンブン回しを操作したり、訪問メンバーが子供達の中に入って一緒に楽しむことが出来ました。折り紙で「羽ばたく鶴」を製作指導することは時間不足で行えず、折り手順が判る見本と折り紙用紙を先生に渡して、児童への折り紙指導をお願いすると共に、チベット鉄道内などで製作した折鶴を子供達に配って羽ばたかせ方の実演をしました。
同様に折り紙で作ったコマと万華鏡も折り方手順絵と共に、女性教諭に日本語!で判り易く説明したので、既に子供たちに教えて下さったのではないかと思います。


昼食を終えた大勢の子供達が周囲に集まってきたので、子供達との集合写真、先生方との交流写真を撮り、最後に子供達全員に日本から持参した鉛筆を、先生方にはノートを配るようにお願いし、合わせてメンバー各人からの寄付品を渡して交流を終えました。
4.先生達と昼食
私たちは、ラサから弁当を持参して来たものの、先方からも昼食が提供されたので、休憩室で食事を同席しました。たくさんのヤク肉、ジャガイモ、バター茶、果物のどれを食べるべきか悩んだ人も居られたはずです。先生達も同じ部屋で食事しましたが、十分な意思疎通が出来なかったのはやむを得ないことでした。
校長先生より「央金第三希望小学校基本状況(中文)」を頂き、当方からは「シルバーカレッジ案内書」を西蔵青少年発展基金会の索朗さんと校長先生に手渡しました。ラサ空港の出発便に間に合うよう、午後1時前には学校を離れることになり、大勢の先生や子供達の見送りを受け、メンバーも感涙を堪えつつ、手を振りながらの別れとなりました。
5.終わりに
今回の旅行は予想以上にハードなものであり、下痢、高山病、風邪症状や食事と衛生状態に悩まされながらも、何とか全員が全行程を消化して、9月29日に無事帰国いたしました。平均年齢60代後半と思われるメンバーの女性4名、男性7名は苦しくも充実した思い出に浸ると同時に、カレッジ内での発表の準備とレポート作成を始めています。チベットを再訪するのは困難としても、末永く「チベット」が私たちの脳裏に大きな出来事として記憶されるのは間違いないでしょう。
今回の訪問は、齋藤様、ヤンジン様のご支援無しでは成り立つものではありません。ご夫妻のご協力に感謝すると共に、素晴らしい活動に対して改めて敬意を表して、報告を終えます。
神戸市シルバーカレッジ 高橋昇二 記
221103
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チベットにご関心をお寄せ頂き、実際にチベットを訪問、子供たちと交流してくださいました
神戸市シルバーカレッジの皆様には心から感謝しております。
本当にありがとうございました。
※バイマーヤンジンも感謝の気持ちをこめて、
2月3日神戸市シルバーカレッジの教室にてボランティアで講演致します。
けれども、カレッジの学生が対象ですので、非公開だそうです。
お近くの方、申し訳ございません。
9月28日にはチベット・ロカ地区にあるヤンジン第三希望小学校にて子供たちと交流をしてくださいました。
この度は私齋藤もバイマーヤンジンも同行することができませんでしたので、
不安にも感じられ、いろいろと大変だったことと思いますが、無事交流を終え、帰国されました。
その後、メンバーの高橋昇二様が素晴らしい手記をお寄せくださいました。
高橋様からご了承を頂きましたので、下記ご紹介させていただきます。
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ヤンジン第三希望小学校訪問記
1.はじめに
私たちは神戸市北区にある神戸市シルバーカレッジ国際コース3学年に所属しており、チベットについてグループで学習を進めています。学習に際してチベット関係者を探していた所、チベット学校建設推進協会の存在を知り、代表の齋藤様にお会いして、既に小中学校を10校建設していることが判りました。そこで、比較的便利なところにある第三小学校を訪問して交流することを企画実行しましたので、概要を報告させていただきます。
私たちは、世界最高所を通るチベット鉄道に乗りラサを訪れようという計画に賛同した11名から構成されており、チベット関係書物やネット情報のみならず、チベット人留学生やタンカ絵師、ラサ在住人類学者、大学教官などから知見を収集した後、平成22年9月20日から10日間のフィールドワークに出発しました。西寧からバスと汽車でラサに入り、ラサ最終日に待望の小学校訪問が実現した次第です。
2.第三小学校
政治的に微妙な地域なので、ヤンジンさんの友人として訪問交流してほしいとアドバイスを受け、訪問日9月28日はホテルから政府関係者車両が先導したので、やや緊張して、11時45分頃専用バスが小学校に到着しました。子供達に混じり多くの大人が居られたので、どういう方か判らないままバスを降りると、カターという首に掛けるレイのようなもので1人1人歓迎されました。

校内の並木道に沿って、学校案内パネルが幾つも掲示されて説明を受けるうちに、これらは我々のために特別に掲示して下さったことが判りました。子供たちのスケッチ画も展示されており、年齢に比べて上手なのに驚いた次第です。
次に校舎を案内されて、子供達の授業風景、2段ベッドが並んだ宿泊棟、炊事場、食堂、パソコン教室、歴史資料室、教員室など、質素ながらも整った設備にしばし感激しました。この学校は全寮制で授業料、食費、宿泊費が無料とのことで、小学3年から英語授業を始めるなど教育にかける政府の熱意を垣間見した次第です。説明を受けるにつれ、10名あまりの案内者の中に校長先生もおられることが判りました。
子供達は他校と同様にジャージの制服姿で学んでおり、現在は児童237人、先生24名が在籍する平屋立ての学校ではありますが、中層の鉄筋構造物に立て替える計画が進んでいるそうです。小学校の前面道路の反対側には、日本と同じような外観の中学校が完成していました。
3.交流
数ヶ月前から交流内容を綿密に検討し、合宿を含めた事前練習と準備を行っていたものの、事前に私達から連絡を取ることが叶わず、どういう交流になるのか先方の意向が判らなかったので、訪問するまで不安が募りました。50名くらいの低学年児童と交流したいと事前希望を出していたところ、裕福でない児童からメンバーを構成して日本よりかなり小さい校庭に集合整列させて下さり、学校の方針の一端が判った気がしました。
我々の代表から訪問挨拶があり、帯同の通訳から再度 現地語に通訳をして子供達にも理解してもらえたと考えています。大人になったら是非日本を訪問して欲しいと言う要望が、実現不可能ではないことを思わせました。

交流はまず、日本の唱歌をハーモニカ伴奏で3曲合唱したら、返礼として児童たちが輪になってダンスを披露してくれ、私たちも輪に入って踊ることにより、一挙に打ち解けた感じがしました。


次に事前に私達で作成した日本製「吹き戻し」を50人に配って、空気の出し入れで伸び縮みを楽しみ、同じく手製の紙トンボを空に向かって舞い上げ、牛乳パックを丸く切り取ってこしらえたブンブン回しを操作したり、訪問メンバーが子供達の中に入って一緒に楽しむことが出来ました。折り紙で「羽ばたく鶴」を製作指導することは時間不足で行えず、折り手順が判る見本と折り紙用紙を先生に渡して、児童への折り紙指導をお願いすると共に、チベット鉄道内などで製作した折鶴を子供達に配って羽ばたかせ方の実演をしました。
同様に折り紙で作ったコマと万華鏡も折り方手順絵と共に、女性教諭に日本語!で判り易く説明したので、既に子供たちに教えて下さったのではないかと思います。


昼食を終えた大勢の子供達が周囲に集まってきたので、子供達との集合写真、先生方との交流写真を撮り、最後に子供達全員に日本から持参した鉛筆を、先生方にはノートを配るようにお願いし、合わせてメンバー各人からの寄付品を渡して交流を終えました。
4.先生達と昼食
私たちは、ラサから弁当を持参して来たものの、先方からも昼食が提供されたので、休憩室で食事を同席しました。たくさんのヤク肉、ジャガイモ、バター茶、果物のどれを食べるべきか悩んだ人も居られたはずです。先生達も同じ部屋で食事しましたが、十分な意思疎通が出来なかったのはやむを得ないことでした。
校長先生より「央金第三希望小学校基本状況(中文)」を頂き、当方からは「シルバーカレッジ案内書」を西蔵青少年発展基金会の索朗さんと校長先生に手渡しました。ラサ空港の出発便に間に合うよう、午後1時前には学校を離れることになり、大勢の先生や子供達の見送りを受け、メンバーも感涙を堪えつつ、手を振りながらの別れとなりました。
5.終わりに
今回の旅行は予想以上にハードなものであり、下痢、高山病、風邪症状や食事と衛生状態に悩まされながらも、何とか全員が全行程を消化して、9月29日に無事帰国いたしました。平均年齢60代後半と思われるメンバーの女性4名、男性7名は苦しくも充実した思い出に浸ると同時に、カレッジ内での発表の準備とレポート作成を始めています。チベットを再訪するのは困難としても、末永く「チベット」が私たちの脳裏に大きな出来事として記憶されるのは間違いないでしょう。
今回の訪問は、齋藤様、ヤンジン様のご支援無しでは成り立つものではありません。ご夫妻のご協力に感謝すると共に、素晴らしい活動に対して改めて敬意を表して、報告を終えます。
神戸市シルバーカレッジ 高橋昇二 記
221103
------------------------------
チベットにご関心をお寄せ頂き、実際にチベットを訪問、子供たちと交流してくださいました
神戸市シルバーカレッジの皆様には心から感謝しております。
本当にありがとうございました。
※バイマーヤンジンも感謝の気持ちをこめて、
2月3日神戸市シルバーカレッジの教室にてボランティアで講演致します。
けれども、カレッジの学生が対象ですので、非公開だそうです。
お近くの方、申し訳ございません。
by yangjin2
| 2011-01-28 15:23